ハンナ・ヘーヒ コラージュ

会  期
2003年4月12日(土)ー5月25日(日)
休 館 日
月曜日(5月5日は開館、5月6日は休館)
入 館 料
一般300(240)円、大高生200(160)円、中小生100(80)円
( )内は20 名以上の団体割引
兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料
4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60 歳以上、土日祝65 歳以上)

《パーティのために》

1936年

 


「ハンナ・ヘーヒ コラージュ」展を開催いたします。ハンナ・ヘーヒ(1889-1978)は、20世紀ドイツ美術のなかで近年ますますその重要性が高まってきている作家です。ドイツ中部の町ゴーダに生まれ、1912年23歳のときにベルリンの工芸美術学校に入り、グラフィック教室を担当していたエミール・オルリクのもとで勉学を開始しました。

ヴァイマール時代へと移りゆく時代に、台風の目のような役割を果たした大都市ベルリン。そこでヘーヒはラウル・ハウスマンと出会い、彼とともにあらゆる既成の価値観や芸術運動に反旗を翻すベルリン・ダダの推進力になっていきます。
二人で考案したフォトモンタージュ(コラージュの一種)の制作に取り組み、時代への鋭い批判を込めた作品を発表します。また1920年代にはクルト・シュヴァッタースを通じて多くの国際的な前衛芸術家と親交をもち、シュールレアリズム、実験的写真・映画などの影響を受け、さらに新たな展開を見せました。

一貫して実践されたコラージュにはヘーヒの芸術性が如実に反映され、油彩、水彩を含めた戦後の総合的な再評価のきっかけとなりました。子どもや女性、動・植物など、日常的で穏やかなイメージの断片が詩情やユーモアを醸し出していますが、鋭い造形感覚によって無機質なモティーフと組み合わされたとき、現代人の抱える莫とした不安、恐怖までもが映し写されます。政治情勢の不安、機械文明がもたらす大衆消費社会、マスコミュニケーション、人種差別、加えて女性を取り巻く社会状況等の諸問題が、様々な形で鮮やかに呈示されているのです。

本展では、1920年から1960年代にいたる活動をほぼ網羅するコラージュ作品34点余を紹介します。
これは1974年に京都で日本初の回顧展が開催されて以来、じつに約30年ぶりのまとまった展示であり、社会の激しい変動に動じることなく誠実に自己の創作と取り組み続けたヘーヒの重要性を再認識する機会となるでしょう。

 

同時開催:常設展I 「“こころ楽しい” デュフィ」「”毒を含んだ笑い” ドーミエ」

関連企画

講演会
「ヘーヒの芸術について」
講師:ラルフ・ブルマイスター氏 Ralf Burmeister (ヘーヒ研究家、元州立ベルリン・ギャラリー学術研究員)
日時:4月19日(土)午後2時~
場所:美術館1F講座室
*聴講無料、要観覧券

 


主  催
伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団

 

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