神奈川県立近代美術館コレクション ジャック・カロ版画展

会  期
2005年1月4日(火)ー3月6日(日)
休 館 日
月曜日(ただし祝日は開館、翌日休館)
入 館 料
一般700(500)円、大高生350(250)円、中小生100(80)円
( )内は20 名以上の団体割引
兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料
4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60 歳以上、土日祝65 歳以上)

ジャック・カロ

 

 


ジャック・カロは1592年にロレーヌ公国(現在のフランス東北部)の首都ナンシーで生まれ、いわば画風の形成期をイタリアで修業しました。イタリアにいる間、彼はローマとフィレンツェの工房で働き、その後祝祭劇、野外劇、演劇人およびグロテスク風の版画を制作しました。1621年に、彼はナンシーに戻り、1635年に亡くなるまで、残りの生涯を多作の芸術家として過ごしました。彼はフィレンツェのメディチ家やナンシーのロレーヌ公をはじめ、貴族や教会からの注文を受け、華やかに繰り広げられる宮廷主催の催し物や権力者の偉業を伝える連作版画、威厳を湛えた肖像版画などを制作しています。しかしこれらの作品とは別に、乞食や役者といった社会の下層に生きる人々の姿を表情豊かに描いたほか、この時代のヨーロッパに暗い影を落としていた戦乱を主題とした作品も制作しています。

エショップと呼ばれるニードルを多用し、銅版の腐蝕を段階に分けて複数回行うなど、独特の技法から生まれるいきいきとした線描や広がりのある空間表現は、カロ版画の魅力となっているといえるでしょう。

本展はイタリアからナンシーに戻った以後に制作されたユーモア溢れる侏儒の姿をとらえた『ゴッビ』やイタリア喜劇の役者が飛び跳ねる『バリ・ディ・スフェサーニア』をはじめカロの代表作『戦争と惨禍』など104点を展観することで、16世紀中ごろから17世紀初めにかけての、その時代の笑いと苦悩とを諧謔もしくは共感をまじえつつ表現した天才肌の銅版画家の芸術を味わいたいと思います。

同時開催:初版によるゴヤ版画集『戦争の惨禍』

同時開催:所蔵品点III 震災と美術

関連企画

講演会「カロの版画芸術」
日時:2005年2月19日(土)午後2時〜
講師:橋 秀文氏(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)
会場:美術館1F講座室
*聴講無料/要・当日観覧券(申込不要)


主  催
伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団

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