初版による ゴヤ版画集『戦争の惨禍』

会  期
2005年1月4日(火)ー3月6日(日)
休 館 日
月曜日(ただし祝日は開館、翌日休館)
入 館 料
一般700(500)円、大高生350(250)円、中小生100(80)円
( )内は20 名以上の団体割引
兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料
4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60 歳以上、土日祝65 歳以上)

 


 

 

ゴヤはフランスの画家ジャック・カロの版画集『戦争の惨禍(大判)』を所蔵していたと言われている。このカロは、西洋絵画の歴史のなかではじめて戦争と戦場の悲惨を、客観的に描き出したひとである。ゴヤがカロの版画集に刺激をうけていたことは、彼の1790年代の作品「乗合い馬車の襲撃」がカロの同名のものとよく似ていることからも察せられる。

ゴヤ版画集『戦争の惨禍』-初版について
 -Los Desastres de la Guerra-
 銅版画の場合、印刷が繰り返されるごとにド銅版の溝がごくわずかずつ摩耗するので、最初に印刷された版画は線がより繊細で美しい。したがって幾つかの版が刷られている版画では、初版はとりわけ高く評価される。初版は美術館のような公的機関の所蔵になり、少数しか現在に伝わっていないのが実情である。

『戦争の惨禍』はゴヤの生前には発表されなかった。その理由は定かではないが、政治的あるいは経済的状況が許されなかったという以上に、自由を求めてやまなかったゴヤ自身の信条に従って出版されなかったのかもしれない。『戦争の惨禍』の初版は、1863年になってやっとサン・フェルナンド王立美術アカデミーから80枚のセットとして出版される。1870年には、さらに81番と82番の存在があきらかとなり、現在は82枚で1セットとしている。

同時開催:神奈川県立近代美術館コレクション ジャック・カロ版画展

同時開催:所蔵品展III 震災と美術


主  催
伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団

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